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個展「百いろのひと」
1998(ギャラリーMARONIE)

絵本「百まいのきもの」へのオマージュとして

『いつも同じ青い服を着ている移民の少女ワンダ。
「百まいのきものを持っている」というワンダをみんなはからかいます。
ある日突然ワンダは遠い町へと転校していきます。
 彼女が残していったのは「百まいのきもの」が描かれた、百枚の絵でした。』
-------------------------------------「百まいのきもの」岩波書店刊

個展「百いろのひと」(ギャラリーMARONIE 1998)のきっかけとなったのは、子供の頃から家にあった1冊の絵本です。
お話の内容は、上記のように、小学生の間の差別、いじめ、友情など、だれにでも起こる身近な事柄です。
にもかかわらず、残念ながらその話が子供だった私の記憶に残ることはありませんでした。
そのかわりに私の心に鮮やかに焼き付いたのは、絵本に描かれた「百まいのきもの」の絵でした。
ところが、大人になって再びその絵本を開いたとき、驚いたことに其処にあったのは、
私が心に思い描いていた華やかな「百まいのきもの」ではなく、柔らかな色彩のごく控えめな挿し絵だけだったのです。
そのとき私は、人の心にふれるのは、必ずしもつくりこまれた表現ではないのだ、という思いを新たにしました。
ものを造る上で大切なことを教えてくれた絵本「百まいのきもの」への思いを込めて、「百いろのひと」を造りました。

赤い枠の作品は拡大画像があります

(C)2005-2006 FUKUDA Toshiko